雲南省新平県戛洒鎮


「戛洒」 がさ


 私が何度も訪れる雲南の戛洒は雲南省玉渓市新平彝族タイ族自治県にあります。この場所は昆明から西双版納の丁度中間にあたり、近年は昆明から磨黒まで高速道路が完成し昆明からの交通の便もよくなり、自動車で数時間の距離です。
この新平県は元江が流れていて戛洒はこの元江の川縁の街です。新平県は彝族、タイ族(花腰)、哈尼族、極少数のラル人(彝族の支系)が居住し、戛洒は花腰タイ族の街です。

元江は川の名前でもあり又 街の名前です。この川は上流から礼社江、元江、紅河、ソンコイ川(ベトナム)という名前が付けられていて最後にはトンキン湾に流れていきます。


戛洒鎮はこの元江の河畔にあり、市街地の部分は1KmX500mほどの長方形の街でその多くの人がタイ族の人々です。又市街地に近接した場所は棚田が広がっています。ここは年2回の稲作が行われていて長粒種の稲が作付けされています。
この棚田の下側は元江まで連なっていますが上側は哀牢山山系の裾野までで、この哀牢山を上がって行くと彝族、漢族の村があります。


戛洒鎮見取り図

雲南省の地形図を見るとこの元江に沿った地域は元江が流れる為に標高が低く、雲南省がこの川の為に2つに分断されているように見えます。その為、この川沿いは年平均気温が高く、元江沿いには多くの砂糖きびが栽培されています。
雲南省で、年平均気温が22度以上ある地域は河口、元江(町)、滄源の3ケ所で以外にも西双版納は入っていません。戛洒の標高は約500メートルで雲南省中央部では標高の低い場所です。



< 元江対岸から見た戛洒鎮 >

花腰タイ族は新平県では漠沙鎮の花腰タイ族が有名です。この漠沙の花腰タイ族の民族衣装と戛洒の民族衣装で大きく異なるのは、戛洒は日常の民族衣装とハレの日用の民族衣装の2種類があり異なるという事と、漠沙は頭に乗せる傘が平たくて、戛洒の傘は中心が高くなっている点で1種類です。





< 元江対岸からの戛洒鎮 右上南恩滝 >

戛洒は元江に沿った道路上にあり、元江(町)から漠沙−戛洒−水塘−双柏−楚雄まで1日1本の公共汽車があります。
雲南の地図を見ていると面白い地名が沢山見つける事が出来ます。「馬鹿」という地名もありました。この地名も漢民族の付けた地名もあれば各少数民族の発音に漢民族の文字を付けたものもあります。また地形や景色がそのままに付いたと思われる地名などもあります。




< 哀牢山からの戛洒鎮 >

中国の地図も年々 良くなって小縮尺な細かい地図も一般に売られるようになりました。地図の紹介で何点か新しく追加しましたが西双版納の景洪の空港の名前が「嗄洒机場」というのを初めて知りました。この戛洒鎮と同じ名前です。



この「戛洒」という名前ですが雲南の地図を見ると何カ所かあります。これはタイ語で砂の上の町という意味だそうで、新平県の戛洒もその通りの場所にあります。とにかく「戛洒」という地名があったらタイ族の場所です。

戛洒の戛の字ですが 口編がつく(口戛)の字もあります、雲南には口の付く場所と付かない場所がありますが当て字ですから同じ意味という事になります。
戛洒という地名があったらタイ族がいて平らな耕作可能な土地がある、そう思っても良いと思います。


◆花腰タイのお祭り 「花街節」の動画

 花腰タイのお祭りは男女の出会いを目的とした「花街節」があります、戛洒鎮ではありませんが隣の漠沙鎮の花街節の模様です
今年(2004)の花街節は本当の開催日の前に観光用に一度開催してしまったようで本番の日にも関らず残念ながら寂しい人出となりました。後半はおばさんにお願いしてタイ族民歌を唄っていただきました


320x240 45分 250kbpsですのでこのスビード以下の方は一度ダウンロードしてからご覧下さい、internet explorer ではストリーミングでご覧いただけると思います。

新平県漠沙鎮の花街節 動画




◆戛洒の帽子(花腰タイ族)                 (2001-3-2)



この帽子は花腰タイ族の婦人の多くが日常、かぶっているものです。これだけ見ると普通の帽子なのですがこの帽子には秘密があります。

それはこの帽子の中にあります。タイ族の女性は長い髪にしている人が多いのですがこの帽子の中にグルグルと入っているのです。当初それを知らずに戛洒でお世話になっている家庭のお母さんの帽子を取ってしまったのです。すると長い髪の毛がバサッと下に落ちたのです。写真から見るとそれほど大きく無い帽子なのですが、思ったより長い髪の毛が下に落ちて驚きでした。
戛洒の婦人は民族衣装の一部である大きな竹で出来た傘よりも日常はこの帽子をかぶっています。



◆花腰タイ族の腰帯                   (2001-3-2)


この細長い布は花腰タイ族の女性の民族衣装を着る時にお腹に巻く帯です。(腰帯なんですが実際はお腹にまいてます)長さは5メートルほどあります。この帯を2,3本を民族衣装の上からお腹に巻き付けます。それもあまり綺麗に巻くのではなくかなり乱雑に巻き付けます。そしてその上にカーディガンのような薄手の民族衣装を着ます。


この帯は今までも戛洒に行って何本かお土産に貰ったのですが当方も雲南のお土産として差し上げてしまい手元にありませんでしたので先日、3本ほど戛洒の農家から譲ってもらいました。この腰帯は戛洒の農家のほとんどにある機織機で織られているようで1本、1週間ほどの手間が掛かっているそうです。



この腰帯ですが戛洒鎮政府の前のお土産物屋さんでも売られていますが、細切れにして売られています。



◆戛洒の糖紙                     (2001-3-2)



この包みは戛洒の紙工場の衛生紙です。つまりティシュペーパーです。原料は戛洒で作られている砂糖キビの植物繊維です。砂糖きびも2種類あって太くて黒いものが人間が直接かじって食べるもので、よく街頭で売られているものと、茎が細く、色が緑色のものがあります。こちらが砂糖工場へ送られるもので、こちらがこの戛洒の製糖、製紙工場で使われています。

残念ながらこの衛生紙は品質がいま一歩で毎日はちょっと使えません。
戛洒の街の近くは太い食用の砂糖きびばかりですが、戛洒の街から離れると製糖・製紙工場向けの砂糖きびが作られています。



1985年出版の「新平彝族タイ族自治県概況」です。この中に「戛洒」はタイ語、「戛」−−街子、「洒」−−沙 という意味だと書いてあります。つまり砂の上にある街という意味だと思います。


上記の概況の中にある昔の戛洒の製紙工場内部



◆花腰タイの腰篭                     (2001-3-2)



この竹篭は花腰タイ族の民族衣装と一緒に腰に取り付ける竹製の篭です。丸いタイプと四角いタイプがあります。あまり大きくないので小さな物しか入りませんがハンカチなどを入れているようです。花腰タイ族の民族衣装は衣類よりもこの腰篭と足に巻く脚絆(きゃはん)が綺麗でいつもその2つを写真やビデオカメラで撮影してしまいます。
す。



この写真の四角いタイプはハレの日用の民族衣装と共に腰に取り付けるのであまり役に立ちませんがこの四角いものには大きさが30cmほどの実用的なものもあります。1と6のつく日の戛洒街(市場)にはこの大きな四角い竹篭を肩に掛けて近隣からやってくる婦人をよく見かけます。


腰篭は以前から漠沙鎮でよく売られていたのですがこの頃は戛洒鎮でも戛洒街の日に売られるようになりました。それを戛洒でお世話になっている家の人が私のお土産用に用意しておいてくれているようです。


写真には腰に取り付ける為の腰帯があるものとないものがあります。価格は大体10-20元程度です。1999年の花博でこの竹製のお土産が昆明で随分売れたそうです。



◆結婚式の披露宴の招待状                 (2000-10-17)



これは田舎の結婚式の披露宴への招待状です。真っ赤な紙が二つ折りになっています。いつも行っている雲南省の戛洒のもので、見にくいのですが日時は2000年5月11日、午後5時半、場所は南恩大酒店、と書かれています。


先日 この南恩大酒店で3人で夕飯を食べましたら70元ほどかかりました。ここで数十人程度で宴会を開けば千元以上は掛かると思われます。披露宴だけでも年収近く掛かるのではないかと思ったのですが参加者はおのおの「ご祝儀」を持ってくるので心配する必要はないようです。
この招待状の映像ですが真っ赤なものの中の文字はなかなか取り込みにくく、文字を見易くしようとしたら画面が暗くなってしまいました。御容赦





◆戛洒の割り箸                        (2000-09-28)



この割り箸はいつもお邪魔している雲南省新平県戛洒鎮の割り箸です。町の至る所で副業として作られています。太めの竹を割り箸の長さに切ってからナタで1本1本割っていきます。それを戛洒の町中にある買い取り所?へ持っていきますと100膳で1.2元だそうです。
町を歩くと路地で割り箸を作る為に太い竹を鋸で切っている姿をあちらこちらで見る事が出来ます。そうして作られた竹の割り箸をビニールの袋に詰めて出来上がり、消毒してあるかどうかは不明です。とにかく 割り箸がやたらに目に付く町です。
雲南に行かれた方は割り箸の袋を見てどこの割り箸かを確認してみて下さい。(私も見ているのですがなかなか余所では戛洒の割り箸は見かけません)


◆花腰イ泰族民歌 磁帯                    (2000-09-28)



これは 花腰イ泰族の民歌が入ったカセットテープのカバーです。
この写真は左側が漠沙、右側が戛洒の小姐の写真です。しかしこういったものは大概地元には売っていなく、麗江のお土産物屋で見つけたものでしかも 沢山あるお土産物屋さんでも売っていたのは1軒だけで3本しか置いてありませんでした。
内容は漠沙と戛洒の民歌がほとんどで、戛洒の仏前の念仏とかなり似たものでした。最初は違和感があるのですが何回か聞いている内に慣れてきて段々と眠くなってきます。




◆花腰イ泰族民歌 VCD                   (2000-09-28)



これは上記カセットと同じような内容で、戛洒と漠沙の花腰イ泰族の紹介です。漠沙や戛洒に行ってもこのVCDほど民族衣装を見られるわけではありませんので、このVCDの方が民族性をうかがう事が出来ます。多分撮影の為に民族衣装を着て貰ったものと思います
これも地元では売っていなくて昆明の空港で見つけて購入したものです。しかしこういった観光VCDは値段が高く30-50元程度します。これを購入してから戛洒に持っていった所、これを今まで見た人はいなかったようで、VCDプレーヤーを売っている店でかけてもらったところ、多くの人が見ていました。




◆煙草                          (2001-2-28)



 いつもお邪魔している雲南省新平県戛洒鎮のかなり人が喫煙で購入している「古陶」という煙草があります。作られているのは貴州省興義市ですが何故かこの古陶ばかりが目に付きます。この煙草はソフトケースで少し小さめですあまり変わったところはありません。この煙草、価格が1箱1元ですが10箱購入すると1箱8角になってしまいます。!
日本に持ち帰ったのでちよっと形が崩れています。






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