■三峡下り (2回目)

その二








4日目 三峡 豊都 石宝寨




船は朝8時頃 豊都に到着、大部分のお客さんは船賃と観光料金も払っているらしく、豊都でガイドに連れられて下船していきました。


豊都




危険!
港の階段を上がった所の両側の売店




鬼城




私とTさんは鬼城にあまり興味が無いので下船して朝食のついでに豊都の町を歩いて見る事にしました。小さな小吃で麺を食べ終わると そこでその店の男性が10元札10枚を100元札に交換してほしいと言ってきましたのでTさんは交換していました。結婚式の祝に持っていくのだそうです。
観光地の鬼城の辺りの市場をうろうろしたり、豊都の港近くをぶらぶらとしていました。港のシンボルの門の下でビールなどを飲んでいますとここでも 先ほどと同じように10元札を100元札に交換してほしいと頼まれやはりTさんは交換しておりました。その時に10元札10枚をその相手の女性が数えていましたがなんだか ちよっとおかしい手つきで不信に思ったのですが日本人の私が口を出す事ではないと思っていましたが、船に戻りますと10元札20枚あるべきなのに12枚程度しか無いとTさんが言い出しました。どうも数えた時にはあったようですが、その直後スリ取ったのではないかとのTさんの意見でした。言葉の出来ない私はそんな交換を持ちかけられませんでしたので被害に合わずに済みました。そして廬山号の船室にいましたら、中国人夫婦が口喧嘩をして船に戻ってきます。どうも同じ手口にあったようだとのTさん・・・・・・
本当に 豊都は鬼城であるようです。

帰国後のこの体験をインターネットのメイリングリストに書きましたら全く同じ場所で同じ体験をした方から返事をいただきました。その方は見破って捕らえたそうで 恐れ入りました。



この景色が続きます




昼過ぎに石宝寨に到着、廬山号はこの石奉寨か張飛廟のどちらかに止まる事になっていたようですが今回は石奉寨のようです。船から下りて小さな町を抜け、石奉寨の一番下に出ます。長江からこの石奉寨を見ますとかなり高さのように感じたのですが 実際に登ってみますとそれほどの高さがあるようには感じられません。一番上には長江と繋がっているという井戸のような小さな洞窟があります。中国人のグループは既に降りてしまったようで急いで船に戻りましたが、暑さで早速 シャワーを浴びました。昼食無し


石宝寨




石宝寨 内部




石宝寨頂上より下流方面




石奉寨から7,8時間、夜の12時近くに白帝城のある奉節に到着、ここで深夜の白帝城観光と思っていたのですが、乗降客の乗り降りの為に1,2分 港に接岸してすぐに2,3Km上流の長江で朝まで停泊してしまいました。残念。
私たちが下船する巫山から再度 ここへ戻らないと白帝城は見る事が出来ません。多分 私はもう三峡に来る事はありませんので どうしても白帝城は欠かす事が出来ません。


万県




船台




奉節




廬山号船内 無座








5日目 瞿塘峡、小三峡、小小三峡へ




船は長江の中で一晩停泊し、朝の7時前にやっと動き出しました。先ず最初の三峡の瞿塘峡です。奉節の近くの瞿塘峡は切り立った断崖なのですが、段々と下流に向かうと少しづつ、断崖の傾斜も緩やかになり人家も見えてきます。1時間半ほどで小三峡の入口の巫山に到着しました。廬山号に乗ったままですとここでは小三峡の観光時間のみの停泊時間ですのでここで小、小小三峡を観光するにはどうしても下船しなければなりません。


瞿塘峡 信号所




瞿塘峡




ここで昨夜、白帝城に行っていませんので白帝城のある奉節に戻るか、小三峡方面に行くかいろいろと迷ったのですが、あまり顔つきの良くない地元の旅行会社の人間と称する人にいろいろと小三峡の船について聞いていた為、結局、小三峡方面に向かう事になりました。団体と共に小、小小三峡に行くと135元、同じ船をチャーターすると1600元という事で、ここは奮発してチャーターする事にしました。この船には先ほどの旅行会社の男性とガイド嬢が乗り込んで来ました。


巫山




怪しいガイド チェック




巫山港




小三峡遊覧も以前に較べお客さんの減少で ここの小三峡遊覧に出かける小型船が本来一番動いていなければならない時間に100隻以上が停泊したままです。前回来た時ほどの活気はありませんでした。


竜門橋
左が怪しいガイド




竜門橋下の検査站




大寧河の水はそれまでの雨で増水して濁っていましたが、そのせいか、舟が川底に接触する事はありませんでした。そして観光客の減少と、チャーターした観光船の一番良い席に座っていましたので快適な観光が出来ました。前回は小三峡の中間の琵琶洲までしか上れませんでしたが、更に上流の双龍郷、そして終点の小小三峡の入口の馬渡河までの合流点まで上りました。


小三峡




小三峡




双龍鎮




小三峡







馬渡河 小小三峡入口
(右側)



ここで河原のテントで昼食です。ここで本来なら二人だけの朝食のはずですが、先ほどの旅行社の男性と女性ガイドも一緒に食事をし、それをこちらが払う事になりました。たしかに中国社会で食事の接待は日本より多いかもしれませしタクシーなどもそういう習慣があるようですが、単に経済的な関係で数時間、同行している2人がこちらの費用で食事をする不条理は中国旅行の中で大きな問題だと思います。Tさんの考えもあるので黙っていますが、こういった問題がある限り 日本の旅行社の添乗員が一番嫌う国であるのも当然です。せめて別のテーブルで食べるべきでしょう。中国という国情を考えても納得出来る事ではありません。タイなどはどんなに同じテーブルでと誘っても断ってくる国民性とは大きく異なります。


昼食




食事が終わり 私、Tさんと旅行社の男性の3人でいよいよ 念願の小小三峡へ向かいます。現在ここは昔ながらの人力で木製の小船を上流に上げる観光と更に上流からゴムボートで漂流する観光がありますが、ゴムボートではどこでもありそうで、大変な労働である人力で小船を上流に上げるという多分 中国でも他の地方ではほとんど見られない「観光」を楽しむ事にしました。


小小三峡




小小三峡




小小三峡




小船は全長 数メートルで木製 普通の櫂のたぐいは無く、4人がかりで小船を上流に上げていきます。河原がある場所では舟にロープを繋ぎ 3人が河原でそのロープを曳いて上流に向かいます。河原が無い場所では全員が竹の棒を川底に突き刺し小船を上流に上げていきます。この時のこの作業をしている人は体全体をバネのようにし竹の棒を後ろに押していきます。この極めて重労働な作業と危険な環境とを考えると 彼らの家族が今後この職業を続けるとはとても思えません。雲南でいろいろな場所を見てきたTさんもこの小小三峡の人々の労働には胸を打たれるものがあったようです。


小小三峡




小小三峡




この模様はNHKの三峡中継で数分間放送され今回の2度目の三峡の再訪の理由でもあったのですが それだけの価値のある体験でした。その番組でも彼らの賃金が1回10元ほどと言っていましたが、ちょっと信じられなかったのですが、やはり4人が1回上り降りして50元ほどしか会社の方から賃金を貰っていないそうです。この時ばかりは中国の酷さを感じた事はありません。あれだけの労働に対して賃金としては異常です。中国に必要なのは本当の意味での共産主義ではないかとさえ思ってしまいます。同乗している旅行会社の人間の厚かましさと彼らの人間的な差を感じます。

小小三峡の景観の素晴らしさは小三峡よりも素晴らしいのですがそれは撮影したビデオテープに譲りましょう。

 「小小三峡は小三峡ではないが小三峡よりも素晴らしい」
 「小三峡は三峡ではないが三峡よりも素晴らしい」
つまり 小小三峡は三峡よりも素晴らしい・・・・・

人力の小船は小小三峡の一番下流の 三(手へんに掌)峡 の半分ぐらいを1時間ほど掛けて上がり、休憩後、それを引き返してきます。休憩地点で自宅に帰る為に乗ってきていた方を含めて8人全員のインスタント写真を撮り、今度は楽に小三峡の大寧河までもどりました。あまりの彼らの賃金の安さで私とTさんは300元の心付けを払い、再度チャーターした観光船で巫山に戻りました。小三峡、小小三峡の観光自体は素晴らしいものがあります。


ここで引き返します




ご苦労様




帰りは速い




午後4時半頃巫山の町に戻り、宿探しです。
巫山の町の情報を持っていない私たち2人は再度、地元の旅行会社の人間に宿泊可能な巫山のホテル?に案内されましたが 値段と質に納得が出来ず やっと3ケ所目にして納得の出来るホテル?−紅旗旅館に決めました。エアコン有りで170元/室ぐらいだったと思います。
巫山の町を散策、夕食後 ぐっすりと寝てしまいました。


紅旗旅館




夕食









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