■長江 三峡 その3






●5日目 宜昌 − 西陵峡





いよいよ宜昌からは三峡の中の西陵峡ですが まだ午前中は宜昌市内の観光です。朝食後 バスでまず蝶鮫を育てている蝶鮫館に向かいます。
三峡号を下船する時には一人一人にカードのようなものが渡され再度乗船時にこのカードを返して乗船する事となります。蝶鮫館はバスで20分ぐらいの所で、長江に元々生息していた蝶鮫が葛州覇ダムの完成で移動ができなくなってしまう為に人為的に保護する為の施設です。いろいろな大きさの蝶鮫を見る事が出来ますがあまり数は多くないようです。



宜昌 蝶鮫館




三游洞は長江とその支流に挟まれた場所にある洞窟で昔、唐代の詩人白居易、宋代に蘇詢、蘇軾 の父子が遊んだと伝えられる洞窟です。洞窟の中にはこの三人の像があります。


三遊洞




三峡号に昼前に戻りました。船の左舷に小さなオイルタンカーが横付けされ燃料補給をしていました。昼食後いよいよ西陵峡に出発です。
宜昌近くの西陵峡は多分 昔の景観ではなくて葛州覇ダムで水位が上がりかなり川幅も広いようです。両岸にはまばらな民家があり 長江には資材運搬船がかなり多く見受けられました。そういった資材運搬船を追い越しながら三峡号は時速20から30Kmぐらいで上流へ向かっていきます。



燃料補給





隣の船の船員





西陵峡 東段





三峡号 展望甲板





西陵峡 右岸





黄稜廟




西陵峡は川幅 300−400メートルぐらいで両岸は100メートルぐらいの切り立った崖が多く、その崖の上は緑の木々が茂っています。
そういった緑の木々と長江の景色が景観となり、三峡ダムの建設地近くまで続きました。両岸には所どころ100軒程度の集落も見えNHKのドラマ「三峡の家」の舞台を思い出させます。
私は快晴の中 参加された皆さんと三脚+ビデオカメラを抱えて、ブリッジの下にある観光用の甲板で撮影を続けました。



三斗坪




この西陵峡は長江 三峡の中でも一番下流にあり他の巫峡や瞿塘峡よりも川幅が広く、両岸もそれほど険しくありません。緑も多く長江の雄大さと渓谷美が一番調和した峡谷だと感じました。西陵峡の長さは数十Kmあり一般民家も西陵峡だけには点在しています。



三峡ダム工事現場




三峡ダムの建設地を通過します。場所は三斗坪という街がある場所で両岸はすでに工事の為に地肌が出ていて 大きなクレーンが動いていました。
その地肌には、大きな看板が立ち「建設三峡開発長江」の文字があります。
右岸には着々とダムの堰堤らしきものも見えていました。今年97年の11月にはいよいよ堰堤を閉め上流の長江の水位が徐々に上がってくるそうです。(1999年夏にもう一度訪問しましたが水位の上昇は全くありませんでした。)長江の景色と、長江の景色より素晴らしいと言われる小三峡がこのダムの影響でほとんど水没するのは残念の極みです。
この三斗坪は西陵峡の途中にあり峡谷ではなくて両岸に開けた場所があるせいで街となっているようです。その上流側の工事現場を過ぎると又 西陵峡の美しい景観が見えてきます。(西陵峡西段)


西陵峡 西段





西陵峡 西段 展望甲板から




両岸の岩には大きな網を持った人がいてゆっくりと長江の中に網を入れて魚がかかるのを待っています。いったい1日何匹捕る事が出来るのでしょうか。やはりすべてのペースが中国的です。



小船





魚捕り




三斗坪から30分ほどで「青灘危岩」という場所になります。右岸の巨大な山塊と 麓にある数百軒の家の景観なのですが私自身は三峡で最高の景色だと感じました。一緒にカメラで撮影していた方も、「素晴らしい」という声を上げていました。私もこの景色を写真に撮り帰国後4つ切りにして額に入れてあります。
残念ながらこの三峡上りの最中はなかなか三峡の名称の説明がなく自分で調べなくてはならず帰国後 地図や旅行中に購入したビデオで自分が見た景観の名称を調べました。この「青灘危岩」もビデオでやっと名前がやっと判りました。三峡号では結局、寝てるか、食事をしているか、景色を見ているかのどれかしかなく、しかも寝ている時、食事をしている時に名勝地を通過してしまう事が多いように感じました。上りでさえ全ての場所を見る事が出来ませんので下りの三峡観光では寝ている暇はないでしょう。


青灘危岩





青灘危岩




右岸に香渓の街と屈原祠を見ながら通過します。夕食後 船会社専属の芸能人が船内のホールで手品、気功、曲芸を行いました。(約1時間)
就寝後も三峡号は夜間航行をしていたらしく朝の5時頃目が覚めて外を見ましたらサーチライトを点けてゆっくりと進んでいました。



屈原祠





香渓鎮





船上ショー 気功





船上ショー 民族衣装





船上ショー 手品





夜間航行






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